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昭和の作家
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石本美由起
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タイトル・歌手・発売年 作詞・作曲家・出版社 解説
1 逢いたいなァ
あの人に

島倉 千代子
昭和31年


作詞:石本 美由起
作曲:上原 げんと

出版社:全音楽譜出版社(曲のみ)
これは島倉千代子の“島もの”で昭和31年の暮れに発表されてヒットした。島倉の紅白歌合戦初出場の曲でもある。素朴な可憐さを盛り込んだ彼女独特の“泣き節”は純情歌手のイメージを更に印象づけた。石本美由起は次のように語っている。「この歌について、私は広島出身なので、故郷である瀬戸内甲海の素朴な島の生活をテーマにして書いた。瀬戸内海の波の光、島の緑、その中で育った幼き日への追憶等がこのメロディーににじんでいる。げんとさんはそういう私の気持ちを十分に表現してくれた。」
2 東京の人よ
さようなら

島倉 千代子
昭和31年


作詞:石本 美由起
作曲:竹岡 信幸
昭和31年4月に発売された島倉千代子の初めてのアンコもの。ちなみにアンコとは伊豆大島で年上の女性に対する敬称で姉っ子から変化したもの。この歌のヒットは東宝で島倉主演で同名の映画も生んだ。歌謡史のうえで伊豆大島が大きくクローズアップされたのは小唄勝太郎の「島の娘」によってだが、それ以降この作品を含め、都はるみの出世作「アンコ椿は恋の花」あたりまで、繰り返し歌の舞台になっている。その後高度成長期も相まって観光客が押し寄せ空前の大島ブームとなる。
3 柿の木坂の家
青木 光一
昭和32年

作詞:石本 美由起
作曲:船村 徹

出版社:コロムビアソングス株式会社

石本美由起の生家は広島県大竹市の旧家である。俗に“坂の石本”と呼ばれるほどの高台にあり、庭には樹齢200年を越す柿の巨木があった。上京した後、季節になると母親がその巨木撓わす柿の実を送ってくれ、その柿を口にすると幼き日、この木にのぼって見下ろした瀬戸内の海の蒼さや見上げた空の広さ等が瞼に浮かんだ。こうした故郷の姿を一度に託したいと切願し、長い間題材をあたため発表したのがこの作品である。昭和32年10月、発表後すぐ火がついた訳ではないが、青木公一は事ある毎にこれを歌い自己トレードマークとした。
4 港町十三番地
美空 ひばり
昭和32年


作詞:石本 美由起
作曲:上原 げんと

出版社:全音楽譜出版社

美空ひばりは横浜生まれの横浜育ち。そして石本美由起は横浜在住。昭和32年3月にこのコンビが前年の「君はマドロス海つばめ」に続いて世に送ったこの「港町十三番地」はひばりのマドロスものの中でもその軽快なテンポにのって大きなヒットとなった。美空ひばり自身生前好きな歌の一つに数えている。ブルースを感じさせるこの作品は横浜の歌と言われており、歌詞の中の「銀杏並木の敷石道を」は山下公園前の通りで、現山下公園通りは波止場通りと呼ばれ、マドロス酒場は馬車道あたりの酒場らしい。
5 浅草姉妹
こまどり姉妹
昭和34年


作詞:石本 美由起
作曲:遠藤 実
双生児歌手・こまどり姉妹のデビュー曲。この時はまだ並木栄子・葉子と本名でレコードが発売された。この後一般から姉妹の名前を公募し、本人達の強い希望で”こまどり姉妹”の名が選ばれた。彼女たちは、同じ双生児でもポップスで人気をはくしていたザ・ピーナッツとは対照的な着物姿の演歌ということで一躍、注目を集めた。コーラスの形もピーナッツのハーモニーに対し、ユニゾン。北海道生まれでデビューまで浅草・山谷を中心に流しをしていただけに、私小説的な性格を持った歌といえる。遠藤実のつくるメロディは彼自身も流しの下積み時代を経験しているだけに こういった独特の哀愁のメロディーには他の追随をゆるさないものがある。
6 哀愁波止場
美空 ひばり
昭和35年


作詞:石本 美由起
作曲:船村 徹

出版社:コロムビアソングス株式会社

〜夜の波止場にゃ、誰もいない〜という歌いだしの一行から、ビシっと決まっている名曲。この間の高低差は1オクターブ。切なさと悲しみを称えた裏声が響き、彼女特有の低音部へと流れていくその歌唱には情感があふれ、いちどで聞く者の心をとらえる。美空ひばりはこの作品で昭和35年、第二回レコード大賞の歌唱賞を受賞している。
7 馬鹿っちょ出船
都 はるみ
昭和40年


作詞:石本 美由起
作曲:市川 昭介

出版社:コロムビアソングス株式会社
歌手でも俳優でも、自分以外の人格になれるのはとても楽しく気分のいいものだが、都はるみはコミカルなラインの曲をいっぱいもっており、照れているようで歌は照れない熱唱なのがファンにとても楽しい。この作品はタイトルほど内容がバカバカしいわけではないが、うなり節で聞かせてくれると、たとえ失恋したようなときでも心が軽くなるようなコミックだよと割り切れるようなものをもっている。むしろ明るささえ感じる。
8 悲しい酒
美空 ひばり
昭和41年


作詞:石本 美由起
作曲:古賀 政男

出版社:全音楽譜出版社

「悲しい酒」は実は元々は北見沢惇という新人の歌手が歌っていたが、北見沢は若くして夭折、美空ひばりが引き継ぐ事となり、涙の絶唱でしっかりと自分の代表作に育てあげる。ここで見せる涙はある時期までは不遇な人生を終えた若い歌手を思って、ある時期からは次々に不幸に見舞われた自分の弟たちや母など家族を思ってのものと言われている。
9 おんなの海峡
都 はるみ
昭和47年


作詞:石本 美由起
作曲:猪俣 公章

出版社:コロムビアソングス株式会社
じっくりと都はるみの歌唱を味わうことの出来る作品。しかし彼女自身はこれを歌い切ったらヘトヘトになる。心に湧き起こる情念を、そのまま外に出すのではなく、抑えて耐え忍ぶという感じで、足を踏ん張り、手を握りしめ内へ内へとこもっていくからだ。外に力が抜けない辛さとでもいうのだろうか。しかしこの曲には根強い支持があり、カラオケでも歌に自信があれば歌いたい曲の一つ。
10 おいらの船は
300とん

美幌 健
昭和50年


作詞:石本 美由起
作曲:上原 げんと
昭和50年7月1日に発売された美幌健のデビュー曲。歌謡史でいう"船もの"はかつて"潮来もの"マドロスもの”と重なる部分が多かったのですが、戦後間もなくの田端義夫の「かえり船」以来、久々のマドロスを主人公としない現在の「兄弟船」のような"船もの"として注目された作品であった。この曲は後に北見恭子によっても吹き込まれており、遠洋漁業に出かける人にとっては欠かせない愛唱歌のひとつとなっている。
11 さだめ川
ちあきなおみ
昭和50年


作詞:石本 美由起
作曲:船村 徹

出版社:コロムビアソングス株式会社
演歌ファンの心をしっかり掴んだ名曲。「矢切の渡し」姉妹編ともいえ、詩、曲、歌手が同じトリオで狙いも同じ。こちらの曲の方が情景としてはより一般的なものという印象がある。タイトルの「さだめ川」も、愛し合うさだめと川の名とをひっかけている、数多くの歌手のカバーしている。ある種通好みの歌かもしれない。
12 矢切の渡し
ちあきなおみ
細川 たかし
昭和51年


作詞:石本 美由起
作曲:船村 徹

出版社:コロムビアソングス株式会社
発売当初「酒場川」のB面になっていたが、これはちあきなおみがこんな暗い歌は辛いので、もう少し明るいものを歌わせて欲しいといった経緯があったそうだ。しかしこの作品は書いた人たちだけでなく、レコーディングのスタッフや、テレビのディレクターや下町の人気大衆演劇一座の座長とその弟にまで惚れ込まれた。そして、テレビ・ドラマの挿入シーンで、この歌をバックに踊った梅沢冨美男が注目され、あの歌は良いという巷の声が広がった。そして細川たかしが「自分の次の新曲はこれにしたい。勝負曲として・・・」と名乗り出て、春日八郎、瀬川瑛子にまで歌われるようになった。ちあきが本家として再評価されたのはもちろんだが、細川はこの年、レコード大賞を受賞した。彼にとっても、しっとりうたうというジャンルの開拓でもあり、記念すべき作品となった。細川の「矢切の渡し」がヒットしたため、ちあきのものも再発売され、その際、細川のタイトルに合せて当初の「矢切りの渡し」が「矢切の渡し」に改めらた。実際の“矢切の渡し”は名所として生き残っている。
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